『痛くない歯なのに治療する』勇気ありますか?
今日はちょっとマニアックなお話ですが
過去に1本でも歯の“神経を抜いた”ことがある人は
ご一読いただくといいと思います。
こんにちは!
“直す”より“治す”
自然治癒力を最大限に活用させる
“女性専門”の削らない歯医者 年名 淳です
人間は世の中の動物と違って
考えたことを言葉や表情に現せることができる
“高等動物”です。
でも
“考える”って
脳のエネルギーを結構消耗するそうで
しんどくなると「思考停止」することがあります。
お母さんやパートナーに
「今日の夕ご飯は何を食べたい?」
って聞かれた時に
「何でもいい」って答えることはありますよね?
たったそれだけでも
「考える」って疲れるのです。
専門家との知識差が大きな「歯」のことなんか
「考える」って面倒くさいと思って普通です。
ましてや
日本の医療サービスを利用する時には
「先生(専門家)の言う通りにしていればいいもの」
“考えなくていいから楽”的な定義が多数派かも知れません。
今日は
アラフィフ女性・S様のケースを披露して
「知らないと怖い」歯の病気についてお話しします。
メインテナンス(定期健診)で受診された際に
銀歯が入った右下奥歯について
現状と考えられる今後の問題点をお話ししました。
この問題点が「怖い」のです。
S様には自覚症状はない(お困りでない)ので
知らなければ怖くありません。
レントゲン検査(画像)を添えておきます。
メタルのクラウンは白く映っていて
根っこの中にも白い材料が映っています。
(「根管充填材」というバリウムが入った材料を入れて
根っこの治療を終えますので、「神経が無い」証です)
「歯髄(神経)が無い」なので
“歯自体”の痛みはもう起こり得ません。
正確に言うと
「冷たい水で凍みる」
「熱い食べ物でジンジンする」
歯の温熱感覚はありません。
一般の方が認識している
「神経を抜いたからもう痛くない」状況です。
しかし…
レントゲンをよく見ると…
2つに分かれた根っこのうち
右側(前歯寄り)の根の先に異常が見られます。
↓根っこの先の骨の中にある血液を“エサ”に
ムシ歯菌が繁殖している様子
そのような状態が推察されるにも関わらず
S様には全く症状(つらさや痛み)がありません。
しかし
専門家(私)には
ちょっとシリアスな問題点が見えます。
ただ単に根っこの先に「黒い影」があるだけなら
まだ軽症なのですが
それを取り囲むように映っている
白いゾーンに関しては…
「硬化性骨炎」という
バイ菌による感染期間が長く(慢性化している)証です。
と言うことは
治療(感染源の除去)を始めたとしても
「治りにくい」のです。
S様は当院へ初めてお越しになってから
ちょうど10年が経ちますが
その歯の症状を自覚したことは一切ありません。
もしも治療によって痛みが出てしまい
それを治すことができなければ
最悪の事態として「抜歯」に至る可能性があります。
S様には
「今は痛みがないけど
治療を受けることで良くなる期待が持てる」
ということと
「治療を受けてみて
もし症状が出てしまって治らない場合には
『歯を抜かなければならない』ことがあり得る」
という両極の考えを理解する必要があります。
私たちプロでも
この二者択一を悩むところですので
S様に判断を委ねるのはなかなか酷なことです。
課題解決が簡単ではない問題提起をされた
S様にとってはモヤモヤしますが
もしも痛みが出てからでは
「打てる手から施してみる」という治療になり
その方が「不安度」は高いと思います。
S様との10年余りになるお付き合いの中で
このようなアプローチがS様に則したものだろうと考え
ご説明して問題点を共有する機会を設けました。
現在の無症状で落ち着いた状況では
すぐに治療に入るもよし
「問題があること」だけインプットして様子を見るのもよし
です。
次回は
10年前と現在の比較であったり
治療する場合のシミュレーションであったり
ご説明したことやS様の考え(決断)について
お話ししてみたいと思います。
なかなか面倒なお話ですが
過去に1本でも「神経を抜いたことがある」人は
知っておかれる方が将来に役立つと思います。
以上
今日のブログは2,915日目でした♪
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