【患者さんに治療方針を教わる歯医者】

“直す”より“治す”

 

自然治癒力を最大限に活用させる

 

“女性専門”の削らない歯医者　年名　淳です

 

 

今日のブログは、2,753日目♪

 

 

人生いろいろ

 

人は誰しも同じではありません。

 

 

これは

言うまでもありませんが

 

 

 

一方で

 

カラダの構造や機能は

 

動物レベルで基本的に同じです。

 

 

 

だから

「正しい治療方針」とか

 

「高い技術」など

 

必要な答えが出ます。

 

 

 

診療した時点での

 

ダメージの程度は計れますが

 

 

 

そうなるまでのプロセス（経緯）も

 

判断材料として大事なことです。

 

 

 

一昨日からお話ししている

 

50代女性・K様については

 

歯ならびの悪さ（開咬という前歯が空く状態）が

 

大きな問題でした。

 

 

奥歯が咬んで

 

前歯がこんなに空いちゃう…

 

 

 

これが↓噛み合わせの調整によって改善

 

 

奥歯には

 

金属やセラミックなど人工で作られた歯があり

 

その形態がK様のカラダに受け入れられなかったようで

 

噛みづらさは元より

 

口元の“見た目”もシリアスなお困りごとで…

 

 

 

 

ひと目拝見した時には

 

「当院（私）では無理かも!?」

 

高度な判断と治療ができる専門医へ依頼という手を

 

ご案内するのが適切と考えました。

 

 

 

ただし

 

仮に10人の歯科医師が診たら

 

10通りの治療方法が提示されるような

 

K様にとって更に悩みが深まるかもしれない…

ということで

 

「いつかは専門医へ」という“カード”を残して

 

 

 

私が“昔取った杵柄”でアプローチしてみました。

 

K様に

 

「この歯ならび（開咬）は

 

10代とか20代のお若い頃からですか？』

 

とお尋ねして返ってきた答えが

 

 

 

「いえ！数年前からです」

 

「左側の奥歯の治療を受けた後に

 

噛み合わせの違和感がありましたが

 

『慣れるから』と様子をみることになり

 

それっきりで今まで」

 

 

 

 

「えっ!?最近？？？」

 

と驚いた私がK様にお尋ねしたのが

 

「こうなる前の口元が分かる写真はありませんか？」

 

です。

 

 

35年前に就職した

 

大学病院の口腔外科では

 

あごの骨折も治療を担っていましたので

 

治療前の参考資料として

 

怪我をする前の歯ならびを見せていただきました。

 

 

それを思い出し

 

K様に「写真を見せていただけませんか？」

 

とお願いしたところ

 

 

 

独身時代やご結婚された頃など

 

何枚か笑顔の写真をお持ちいただきました。

 

 

 

 

すると…

 

 

ただいまアラサーの息子さんが赤ちゃんだった頃は

 

今と全然違って“ヘルシー”範囲内です。

 

 

当時は“お悩み”ではなかったのが証されました。

 

 

 

ということで

 

今の歯ならびは“後天的”と考えていいので

 

 

 

奥にある人工のクラウンを

 

“心置きなく”削って

 

噛み合わせを低く導いてみました。

 

 

 

 

ただし

 

悪いなりに慣れている

 

K様にとっての噛み合わせを

 

一気に触れることに問題があるので

少しずつ調整してきました。

 

 

 

ビフォー→アフターで

 

4〜5回くらい受診いただき

 

トータルで2ヵ月ほど掛けています。

 

 

 

まだ本格的な治療方針を立てる前の

 

「診断前治療」の段階ですが

 

 

 

「うどんやラーメンなど

 

前歯で噛み切って

 

奥歯で咀嚼してから

 

ゴックンできる

 

＝普通になった感覚です」

 

と喜ばれています。

 

 

 

食事に対するストレスが減ったことで

 

表情がさらに柔和になり

 

体重も増え始めたそうです。

 

 

 

このように

 

プロセス（人生の変遷）を考慮することも

 

適切な治療方針を立てるのに役立ちます。

 

 

 

 

24歳で歯科医師のライセンス取得した後に

 

大学病院の口腔外科で研修を受けたことは

 

手技的にはもちろんのこと

 

診断や采配面でも活きています。