【歯の移植の“深い話”】

インプラントより移植が良い！

けど…

こんにちは！

“直す”より“治す”

自然治癒力を最大限に活用させる

“女性専門”の削らない歯医者　年名　淳です

「歯の移植なんて聞いたことがない！」

10人中10人がおっしゃいます。

歯を抜いた後に移植歯なんて

とてもマイノリティ（少数派）です。

インプラントの方が良いこともありますし

やっぱり天然歯（ご自分の歯）が良い部分もあります。

↑

4日間にわたってお送りした「移植」のお話ですが

インプラントという選択肢もありました。

選択肢があるのは良いことですけど

2つより3つ

3つより4つ

増えれば悩みますし

考えると脳のエネルギーを消費して疲れます。

このアラフィフ男性・S様への治療として

私（年名）は「移植がベター」と考えました。

その根拠を部下（当院歯科衛生士）たちには

当然伝えました。

一般の方には難しいお話だと思いますが

これで専門家の“深み”をお分かりいただけますと

少しは学びになるかも知れません。

（行間が狭く読みづらいかも知れませんがご容赦ください）

歯根破折によって、

頬側遠心部の皮質骨に裂開（吸収）が認められました。

（文章ではうまく表現できないですが）

抜歯したところに“水が溜まらない”

すなわち裂開部から水が流れ出るイメージです。

インプラントをチョイスする場合に

「フィクスチャーを骨がきちんと包んでくれるか？」

が事前課題でした。

メンブレンを使ってGBRすればOKですけど

そういうオプションも含めて

外科処置が怖がりな男性でしたので

ならば

歯根膜が存在する天然歯の方が

「骨を誘導してくれるかもしれない」とか

「骨が少なくてもインプラントより

生着＆長持ちしてくれるかも!?」ということで

移植をチョイスしました。

右上の8番は単根歯ではなかったので

ドナーとして適応と言い切れませんが

「やってみよう！」で踏み切りました。

移植床（左下6部）では

ドナー歯を90度回転させて埋入しました。

幸いなことに

（歯根破折によって骨が裂開していた）頬側遠心部の歯肉が

不自然ではなく＝退縮していなくて

付着歯肉も残っているので

インプラントにするより良かったと思います。

何より

この患者さんが移植歯と

感染根管治療したお向かいの左上6のメインテナンスだけでも

定期的に当院へ通うようになり（他県からクルマで1時間弱）

担当の歯科衛生士のプロケアを受けていることが大きいです。

元々カリエスリスクもぺリオリスクも低いので

この関わりをきっかけにメインテナンスで

“歯科医師の手に掛からず”に

うまく自分の歯を守るための

担当DHとの二人三脚が習慣化したことが大きいです。

これによって

歯科医院に対する“敷居”が低くなれば

いずれ移植歯がダメになることがあっても

天然歯があることで歯槽骨の頬舌側的な幅をキープできており

将来インプラント埋入する際の
「条件が悪くない」とか
「精神的にもきちんと向き合える」など
未来に向けた準備するための時間を稼げたと考えています。

私なりの正義（Justice）に基づいての

治療方針決定と実行でした。

専門的な表現もあってごめんなさい。

以上

3,157日目のブログでした。